従業員の朝食欠食問題を解決!生産性向上と健康増進に効果的な対策5選

「朝食を食べていない従業員が多い…」
「朝食を食べるように指導したいが、どんな影響があるか分からないのでうまく伝えられない…」

健康経営担当者、人事担当者や経営者の皆さんは、このように考えていないでしょうか。

ご想像の通り、従業員の朝食欠食は、個人の健康だけでなく、企業の生産性にも大きく影響を与える深刻な問題です。
この記事では、従業員朝食欠食がもたらす問題点から、具体的な対策、
そしてセミナー開催を含めた多角的なアプローチまで、詳しく解説していきます。

ぜひ最後まで読んで、従業員朝食欠食問題の解決策を見つけて、社員の健康と企業の成長に繋げていきましょう!

従業員の朝食欠食がもたらす問題点

朝食を食べていない従業員がどのくらいいるか把握していますか?
健康診断の問診票から把握することができるので、自社の現状を把握してみましょう。

日本全体でも「朝食の欠食」は課題となっており、男女ともに20〜40代で朝食を食べていない人の割合が増えます。

これは、ライフスタイルの変化や、働き方の多様化などが背景にあると考えられています。
特に、忙しいビジネスパーソンは、朝食を食べる時間がない、または朝食の準備が面倒という理由で、朝食をスキップしてしまうケースが多いようです。
また、仕事に加えて、育児や介護に追われて時間の確保が難しい現状もうかがうことができます。

男女ともに20〜40代で朝食の欠食率が高い!
仕事以外にも育児や介護に追われることで「時間がとれない」世代。
けれど、働き盛りだからこそしっかり対策することが重要!

従業員の朝食欠食率を下げるためには、
朝食欠食がもたらす問題点を理解することが、対策を立てる上で非常に重要です。

朝食欠食による健康への悪影響

朝食は、1日の始まりにエネルギーをチャージし、身体を目覚めさせるための重要な食事です。
朝食を抜くことで、様々な健康問題に繋がることが懸念されています。例えば以下の4つです。

朝食欠食が招く健康課題

  • 集中力・思考力低下:脳のエネルギー源となるブドウ糖が不足することで、集中力が低下したり、思考力が鈍ったりする可能性があります。
  • 免疫力低下:朝食を欠食すると、免疫細胞の働きが低下し、風邪や感染症にかかりやすくなる可能性があります。
  • 生活習慣病のリスク増加:朝食を欠食すると、血糖値が乱れやすく、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが高まります。
  • メンタルヘルス不調:朝食を欠食すると、セロトニンという神経伝達物質の分泌量が減少し、不安感やイライラ感が強くなる可能性があります。

これらの健康課題は、従業員の健康経営だけでなく、
従業員の仕事のパフォーマンス低下に繋がり、企業の生産性にも悪影響を及ぼします。

朝食欠食による生産性への悪影響

朝食欠食が、従業員の仕事のパフォーマンス低下や、生産性にも悪影響を及ぼす理由を考えてみましょう。

朝食欠食が招く生産性への影響

  • 業務効率の低下:集中力や思考力が低下することで、業務の効率が悪くなり、作業時間が長くなってしまう可能性があります。作業時間の延長は残業時間にも影響を与えます。
  • ミス増加:集中力の低下は、ミスや事故につながるリスクを高めます。
  • モチベーション低下:健康状態が悪化すると、気持ちも沈みがちになり、仕事へのモチベーションが低下する可能性考えられます。
  • 離職率増加:健康状態や仕事のパフォーマンスの悪化は、従業員の満足度を低下させ、結果的に離職率の上昇につながる可能性があります。

企業にとって、従業員の健康と生産性は、非常に重要な要素です。
朝食欠食の問題は、軽視できない経営課題とも考えられるかもしれません。

企業にとっての損失

従業員が朝食を欠食することで、企業は様々な損失を被る可能性があります。

  • 医療費負担の増加:従業員の健康状態が悪化すると、医療費負担が増加します。
  • 人材育成コストの増加:従業員の離職率が増加すると、人材育成コストが増加します。
  • 業績悪化:生産性が低下すると、企業の業績が悪化する可能性があります。

これらの損失を回避するためにも、従業員の朝食欠食への対策は不可欠です。

従業員が朝食を食べない原因を探る

従業員が朝食を欠食してしまう原因には、様々な要因が考えられます。
問題解決のためには、まずはその原因をしっかりと把握することが大切です。
多く寄せられる、朝食欠食につながる原因をまとめました。

朝食を欠食につながる原因

  • ライフスタイルの多様性:生活リズムが不規則となり、夜型の生活を送っている人や、不規則な勤務体系で働いている人は、朝食を食べる時間がない、または食べる気が起きないという状況に陥りがち。
  • 忙しくて時間がない:育児や家事に追われたり、睡眠時間の確保を優先することで時間の確保が難しいという意見は子育て世代で特に多く寄せられる。
  • 朝食の準備が大変:一人暮らしの従業員や、料理が苦手な従業員は、朝食の準備に時間をかけることを億劫に感じたり、何を食べて良いかが分からない状況にある。
  • 食費の節約:経済的な事情を抱えている従業員にとっては、朝食を食べることは優先順位が低くなることがある。
  • 健康意識の低さ:「朝食は食べなくても大丈夫」「朝食を抜く方がダイエットに効果的」といった誤った情報から、朝食の重要性を理解していないことも多い。

どの原因があてはまりそうでしょうか。
従業員によって差はあると思いますが、どこから重点的に解決すべきかを検討することで
効果的な対策へとつながりやすくなるでしょう。

従業員の朝食欠食対策5選

従業員が朝食を欠食することの解決には、個人での努力だけでは難しいことが多いです。
企業が様々な角度からの支援を検討することが必要です。
ここでは、具体的な対策を5つ紹介していきます。

朝食を欠食へのアプローチ

  1. 従業員への啓蒙活動
  2. 職場環境の改善
  3. セミナー開催による意識改革
  4. 福利厚生制度の活用
  5. イベントやアプリを活用した効果的な対策

詳しく解説していきます。

従業員への啓蒙活動

はじめに、従業員に朝食の重要性を理解してもらうことが大切です。
朝食を食べることのメリットや、欠食することによるデメリットを伝え、積極的に朝食を食べる習慣を促しましょう。

社内報やメール配信による情報提供

社内報やメール、社内掲示板で、朝食の重要性に関する情報を定期的に配信しましょう。
従業員が社内報やメールはしっかりと読んでくれないという場合は、
LINEを活用して情報配信を行うことも有効でしょう。

朝食を食べるメリットや、手軽に準備ができるおすすめのメニューなどを紹介することで、
従業員が朝食を食べることに対する意識を高めることができます。

例えば、以下のような内容を盛り込むことができます。

  • 朝食を食べることで得られるメリット(集中力アップ、免疫力向上など)
  • 朝食を抜くことによるデメリット(体重増加、疲労感増加、メンタル不調など)
  • 朝食を食べ始める人におすすめの食材
  • コンビニや外食で朝食を選ぶポイント
  • 簡単に作れる朝食レシピ

健康セミナーや講演会の実施

管理栄養士や保健師などの専門家を招いて、健康セミナーや講演会を開催しましょう。
社内報などでは伝えきれない、深く実践的いな内容を学ぶことができます。
専門家に依頼することで、朝食の重要性に加えて、健康的な朝食の選び方や手軽な準備の仕方などまで、専門的な視点から具体的にアドバイスしてもらうことができます。
指導経験が豊富な管理栄養士や保健師に依頼することで、従業員はより実践的な知識を得ることができます。

またセミナーでは、質疑応答の時間を設け、従業員が個別に抱えている疑問を解消することも重要です。

朝食を食べていなかった人が朝食を食べ始めることは、非常にハードルが高いことです。手軽に始められることを具体的に伝えられることが大切です。

職場環境の改善

従業員が朝食を食べるための環境を整えることも、重要な対策です。
職場環境を見直し、従業員が朝食を食べることを促す工夫をしましょう。

職場で朝食が食べられる時間と環境の確保

早朝出勤などの朝食を食べる時間が取りにくい勤務体系の場合には、休憩時間を調整して朝食が食べられるようにするなど、柔軟な対応が必要です。
また、通勤ラッシュを避けて早めに出社する従業員が、職場で朝食を食べることができるよう場所を設けることも大切です。社内の食堂やカフェテリアは昼食時間しか活用できない場合、休憩スペースなどが使うよう推奨するようにし、デスクや更衣室以外でゆっくりと食事が食べられるようにしましょう。
その他、電子レンジや給湯設備があれば温かい朝食を食べることができますね。

社員食堂の充実

社員食堂を朝から営業できる場合は、栄養バランスの取れた朝食を提供しましょう。
従業員の利用割合を増やすためには、従業員のニーズを把握した上で提供内容を決めることが重要です。しかし、その場合は軽食や菓子パンなどの提供が好まれることがよくあります。
軽食等の提供でも良いですが、せっかく食堂を営業するのであれば、栄養バランスのとれた朝食を準備できると、健康増進や生産性向上への費用対効果は高くなるといえます。

また、社員食堂で朝食を提供する際には、価格設定も重要です。従業員にとって、負担にならない価格帯にすることで、利用率を高めることができます。

オフィス内での軽食販売

社員食堂がないオフィスや、社員食堂の営業時間外でも、手軽に朝食を手に入れられる環境を用意しましょう。オフィス内に自動販売機を設置したり、パンやヨーグルトなどの軽食を販売したりするのも良いでしょう。ただし、健康的な食品を提供するよう心がけることが大切です。菓子パンやジュースなどの高カロリーな食品ばかりを販売してしまうと、健康増進には繋がりません。

セミナー開催による意識改革

従業員に朝食の重要性を理解してもらうために、セミナーを開催することも有効です。

セミナーでは、管理栄養士などの専門家を講師に招き、朝食の栄養バランスや、健康的な朝食の作り方などを学ぶことができます。

朝食の重要性に関するセミナー

朝食を食べることのメリットや、欠食することによるデメリットを具体的に説明しましょう。
管理栄養士や保健師などの専門家の協力を得ることも重要です。

朝食欠食はメタボや生活習慣病リスク、循環器疾患リスク、メンタル不調のリスクにつながります。
若い世代には「病気予防」をメリットとして伝えても、自分ごととして捉えられない場合が多くあります。

その場合は、日々のパフォーマンスUPや、肌トラブル改善、便通改善などのその世代が興味を持ちそうな切り口で朝食を食べたくなるように構成することが重要です。
専門的なデータに加えて、改善事例などを交えて分かりやすく説明することで行動変容が起こりやすいでしょう。

健康的な朝食の作り方講座

自炊をする従業員が多い場合や子育て世代が多い場合は、簡単に作れる健康的な朝食レシピを学ぶ講座を開催も良いでしょう。忙しい朝でも、短時間で栄養満点の朝食を作れるような、実用的なレシピを紹介することが大切です。

調理実習を取り入れることで、従業員が実際に朝食を作ってみる機会を提供することも有効です。

手軽に食べられる朝食メニュー紹介

栄養バランスの取れた朝食メニューを食べられることは大切ですが、朝食を食べる習慣がなかった人が、朝食を食べ始めることはハードルの高いことです。

まずは何かを口に入れる習慣をつくることから始められることが大切です。スムージーや牛乳、プロテイン飲料から始めてもかまいません。
その後、ご飯やパン、シリアルなどの固形物を咀嚼して食べられると理想です。この段階まで到達できたら、納豆や温泉卵、ヨーグルトやレトルト品や冷凍食品を活用し、大きな手間をかけずに食べられる朝食メニューを紹介できると良いでしょう。

福利厚生制度の活用

福利厚生制度を活用して、従業員が朝食を食べることを支援することも有効です。
従業員にとって、経済的な負担を軽減したり、朝食の準備の手間を省いたりできるような制度を導入しましょう。

朝食補助制度の導入

社員食堂で朝食を食べる際に、会社が一部費用を負担する制度を導入しましょう。
従業員が朝食を食べるハードルを下げることで、朝食を食べる機会が増加する可能性があります。

健康診断時の栄養指導

定期健康診断の際に、栄養状態のチェックや栄養指導、保健指導を行う仕組みを構築しましょう。
従業員一人ひとりの健康状態や食生活を把握し、必要なアドバイスすることで、健康的な朝食を食べる習慣や、規則正しい生活の定着を促すことができます。

社員食堂の利用補助

社員食堂の利用を促進するために、費用補助やポイント制度を導入することも有効です。
食堂の朝食営業が可能な状況で、栄養バランスが考えられた朝食が提供できる場合、従業員が社員食堂を利用しやすくすることで、栄養バランスの取れた朝食を食べる機会が増加します。

イベントやアプリを活用した効果的な対策

上記以外にも、従業員の朝食欠食対策として、様々な施策が考えられます。

朝食チャレンジ企画

一定期間、朝食を毎日食べることを目標とするチャレンジ企画を実施しましょう。
参加者には、記念品やクーポンなどを配布したり、グループや部署ごとの対抗戦にすることで、モチベーションを維持するだけでなく、従業員同士のコミュニケーションの活性化につなげることもできます。

朝食に関するイベント開催

朝食に関するイベントを開催し、従業員同士が交流する機会を提供しましょう。
例えば、朝食試食会や、朝食レシピコンテストなどが挙げられます。

朝食レシピの共有

自炊する従業員が多い場合、簡単に作れる朝食レシピを共有できる環境をつくることも良いでしょう。従業員同士がレシピを交換したり、コメントを投稿したりできれば、朝食作りに対するモチベーションを高めることができます。

例えば、クックパッドなどのレシピサイトを活用したり、社内ポータルサイトにレシピコーナーを設けたりするのも良いでしょう。

健康管理アプリの活用

健康管理アプリを活用して、従業員の朝食習慣を促すことも有効です。
アプリで朝食を記録したり、健康状態を管理したりすることで、従業員は自身の健康状態を意識しやすくなります。
例えば、カロリ―管理機能や食事記録機能、運動記録機能などを備えたアプリを活用することができます。

例えば、あすけんのアプリは管理栄養士が監修に関わっており、信頼度が高く導入している企業も多くあります。アプリへ食事の写真登録すると、管理栄養士から個別アドバイスをもらうこともできるので活用しやすいでしょう。

まとめ|従業員の朝食欠食対策で、健康と生産性を高め、企業の成長を促進

この記事では、従業員の朝食欠食問題とその対策について解説してきました。
朝食欠食は、従業員の健康や生産性に悪影響を与えるだけでなく、企業にとっても大きな損失となります。今回紹介した対策を参考に、従業員の健康と生産性を高め、働きがいのある職場環境を実現することで、企業の成長を促進しましょう。

従業員の健康増進と生産性向上を実現したいとお考えでしたら、弊社にご相談いただくことも可能です。健康コラムの作成やLINE配信、朝食を食べたくなるセミナーを開催し、企業の皆様をサポートさせていただきます。

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この記事を書いた人

植村瑠美

管理栄養士 健康科学修士
健康経営エキスパートアドバイザー

◆Profile◆
(株)健康支援BonAppetit 代表取締役
急性期総合病院で管理栄養士として10年間勤務し、生活習慣病患者を中心に5,000人の栄養指導を担当。現在は、多くの人が利用するコンビニ食や外食から始められる「食事の選び方」に着目した食事改善法をセミナー等で伝える。栄養素から伝える“理想的な食生活” ではなく、身近な食品から伝える  “超実践的な食生活”を伝えるセミナーが行動変容が起きやすいと好評。


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