健康経営×食事で中小企業の生産性を向上!食生活改善の実践法と成功事例

従業員の健康は企業において重要なテーマです。
健康経営は、従業員の健康を支援することで企業全体の生産性向上や離職率の低下などを目指すアプローチとして注目されています。特に食事は、従業員の健康に直結する要素であり、企業の健康経営戦略において欠かせない分野となっています。

健康経営の一環として、食生活改善に取り組むことで、企業の生産性や従業員のモチベーション向上、さらには健康診断結果の改善など、多くのメリットが期待できます。この記事では、健康経営における食生活改善の重要性と、実践的な取り組み方法を具体的に紹介します。

健康経営と食事の関係

健康経営優良法人認定と食生活改善

健康経営の取り組みの一つである食生活改善を行った場合、食事改善が企業にもたらす効果は多岐にわたります。まず第一に、健康な食生活は生活習慣病の予防に繋がり、従業員の健康状態が向上します。アメリカの研究(1)では、職場での食事や健康への取り組みは作業効率が向上し、欠勤や従業員の医療費が削減されることを報告しており、世界11ヵ国で行われた研究をまとめた報告(2)では、従業員の食生活改善と健康状態を高める行動は、すべての職場で実施されるべきであり、緊急の課題であるとしています。

<引用>
1)Popul Health Manag. 2011 Jun;14(3)
2)J Public Health Res. 2021 Nov 15;11(1)

食事が生産性やメンタルヘルスに与える影響

また、多くの企業が抱える課題のひとつであるメンタルヘルスへも食生活は影響を与えます。Harvard Business Reviewでは、不健康な食生活は集中力の低下や疲労感の増加を招くことが明らかにし、例えば、糖質の過剰摂取は血糖値の急上昇と下降を引き起こし、午後の業務効率を低下させる要因と伝えています。

メンタルヘルス研修の内容にも「規則正しい生活」「食生活の見直し」という内容が盛り込まれますが、メンタルヘルス研修の中で食事について詳しく説明する時間をつくることは難しいため、「食生活」をテーマとした研修やセミナーの時間を設けることは、体の健康だけでなく、心の健康維持にも効果をもたらすこととなります。

食習慣の改善が企業にもたらすメリット

つまり、企業が従業員の食生活をサポートすることで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 健康診断の数値改善による医療費負担の軽減
  • 従業員のモチベーション向上と生産性向上
  • 健康意識の向上によるメンタルヘルスの改善

企業が取り組むべき食生活改善策

食生活改善の取り組みは、企業が実施しやすいものから始めることが可能です。以下を参考に、自社で取り組めそうな内容を検討してみましょう。

① 食事セミナーの導入

正しい健康情報を得るためには、専門家から学ぶことが重要です。管理栄養士や保健師などの専門家を外部から招いて食事セミナーを開催し、従業員が自分に合った食事方法を学べる機会を提供することができます。自社の健康課題を把握した上で食生活セミナーのテーマを決め、正しい食習慣の定着に向けて定期的に食事セミナーが開催できることが理想的です。
日々の食事バランスだけでなく、朝食欠食の課題解決、夕食時間が遅くなる場合の対策、間食の選び方、適正飲酒、正しいダイエット方法など様々なテーマで開催することができるでしょう。

食生活セミナーの導入についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

② 社員向け健康食サポート

セミナーでの情報提供にとどまらず、実際に健康食を提供できることは、食生活改善に取り組む上で、大きな効果が期待できるでしょう。企業が従業員向けに健康的な食事の選択肢を増やすことで、自然と良い習慣が身につきます。

  • 社員食堂での健康メニューの導入
  • 提携弁当サービスでヘルシーランチを提供

最近では、健康食を取り扱う企業も増えています。提携している会社に健康食の取り扱いがないかを確認してみましょう。

③健康的な食習慣に関する情報発信

従業員の健康意識や食育への興味を高めるためには、定期的に情報に触れることが重要です。社内掲示やイントラなどを活用した健康情報や食生活情報を定期的に配信することは非常に有益です。最近ではLINEを活用して従業員とその家族にも健康情報が届くような取り組みをする企業もあります。
従業員が食生活を改善に取り組んだ事例や、取り組みによって得られた体の変化などの体験談を発信することも有効です。定期的に健康に関する情報を共有することで、従業員の意識が向上し、健康経営の文化が浸透します。

食生活改善策を行うときに確認しておこう!

健康経営優良法人の認定を目指す企業は、食事改善を具体的な施策として取り入れることで、評価ポイントを高めることができます。また、健康診断結果の改善などが求められるようになってきているため、確実に効果の出る施策を行うことが重要です。施策を選定する場合は、従業員の健康課題や食習慣を把握した上で、優先的に取り組むべき内容を決めていくことが大切です。また、施策導入後はその効果検証もかかせません。自社で始めることが難しい場合は、健康経営の専門家である健康経営エキスパートアドバイザーに支援してもらうことでスムーズかつ効果的に取り組むことができます

食生活改善による効果を上げた企業の事例

最後に実際に食生活改善に取り組んだ企業の成功事例を紹介します。

●ランチ提供を開始
従業員に対して毎月1回、ランチを提供し、栄養士が監修したメニューを導入しました。これにより、従業員の健康診断結果が改善し、特に肥満率が減少しました。さらに、業務効率の向上し生産性が大きく改善したことを体感されています。月1回の健康ランチであっても長期的に行うことで従業員の健康意識を高めることにつながります。

●食生活セミナーを開催
食堂での提供メニューの改善と並行して、従業員向けに食事セミナーを開催しました。セミナーでは、食事が仕事のパフォーマンスに与える影響や、健康的な食事の選び方を学ぶことができ、従業員の健康意識が高まりました。その結果、社員の欠勤率が10%減少し、健康経営優良法人認定も取得することができました。

健康経営×食事で成功するためのポイント

健康経営×食事の取り組みを成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

  1. 継続的なサポートを提供:一度の取り組みで終わらず、継続的な支援を提供することが重要です。定期的なセミナーやフォローアップが、従業員の意識を維持し、食生活改善を持続可能にします。
  2. 個別対応を心掛ける:従業員には個々に異なる食生活のニーズがあるため、個別のサポートが必要です。例えば、アレルギーや特定の健康問題を持つ従業員には、特別な食事指導を行うことが求められます。個別の健康相談窓口が設けられることも理想です。社内で対応することは難しいと思いますので外部の専門家へ依頼しましょう。
  3. 企業文化に根付かせる:食生活改善を企業文化として根付かせることが成功の鍵です。従業員が自発的に健康を意識し、食生活を改善するようになるためには、企業全体で健康経営の価値を共有することが重要です。

健康経営×食事で企業が得られる未来のビジョン

健康経営×食事の取り組みを実践することで、企業は従業員の健康をサポートし、業務効率や生産性の向上を実現できます。また、健康経営の一環として食事改善を進めることで、企業のイメージ向上や生産性の向上、離職率の低下にも繋がります。

今後、企業にとって健康経営は単なる選択肢ではなく、競争力を高めるために必要不可欠な要素となるでしょう。食事改善を通じて、企業文化の一部として従業員の健康を支え、持続可能な成長を目指しましょう!


健康支援BonAppetitでは、管理栄養士による食生活セミナーや個別健康相談に応じています。貴社従業員の健康課題の把握した上で、効果的な健康経営を推進するサポートも可能です。従業員の健康増進と生産性向上を実現したいとお考えでしたら、ぜひご相談ください。より効果的な食生活改善施策でで、従業員の健康と企業の成長を促進しましょう!

健康経営と食生活改善について、さらに詳しく学びたい経営者様、健康経営担当者様にはこちらの動画をご覧になることをお勧めします。
健康経営を効果的に進めるためのワークの時間も設けていますので、貴社の健康経営への取り組みの大幅なステップアップが期待できます。(視聴にはDeliveruへの登録が必要です)

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この記事を書いた人

植村瑠美

管理栄養士 健康科学修士
健康経営エキスパートアドバイザー

◆Profile◆
(株)健康支援BonAppetit 代表取締役
急性期総合病院で管理栄養士として10年間勤務し、生活習慣病患者を中心に5,000人の栄養指導を担当。現在は、多くの人が利用するコンビニ食や外食から始められる「食事の選び方」に着目した食事改善法をセミナー等で伝える。栄養素から伝える“理想的な食生活” ではなく、身近な食品から伝える  “超実践的な食生活”を伝えるセミナーが行動変容が起きやすいと好評。